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 2025年の公示地価は、上昇率がバブル期以降で最大の上げ幅となった。都心や観光地などでは訪日外国人客や再開発に起因した旺盛な需要が背景にあるが、地価が高すぎる弊害も出ている。地価はいつまで上がるのか。

写真・図版
「ニセコ東急 グラン・ヒラフ」のゲレンデにあるレストラン。左のステーキプレートは3800円、右のマルゲリータピザは1800円、生ビールの大ジョッキは1850円だった=2025年2月、北海道倶知安町、上地兼太郎撮影
  • 公示地価、4年連続で上昇 前年比2.7%増でバブル後最大の上げ幅

 海外からのスキー客でにぎわう北海道ニセコエリアの中核、倶知安(くっちゃん)町。パウダースノーが海外富裕層に人気となり、十数年前から地価は上昇し続けている。

 別荘やペンションが立ち並ぶ住宅地の価格は、前年比9.7%増の18万1千円。住宅地の上昇率で全国トップの富良野市(6万5千円)と比べると3倍近い。商業地でも、上昇率で全国トップだった千歳市の地点(12万8千円)より、倶知安町の商業地(15万6千円)の方が高かった。

 町内の宿泊施設の定員は町民とほぼ同じ1万7千人規模まで増えた。客が急増する冬季は、地元や道内の業者だけでは需要に応えられず、道外ナンバーのタクシーや観光バスが行き交う。観光や飲食関連のアルバイトの時給は札幌はおろか、東京を超えるところもある。

高すぎて…従業員向けの住居の整備が進まず

 地元では今、働き手の住宅不足が課題になっている。既存のアパートは満室ばかり。新たに作ろうにも地価が高く、さらに建築資材や人件費の高騰で、従業員向け宿舎の整備が進まない。

 そこで、町内でスキー場を約…

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